高岡工場(セントラルキッチン)

 

 高岡工場では、クックチル式に対応できる商品製造を行っています。
 クックチルとは、加熱調理(芯温75℃/1分)した食品を急速冷却し(加熱後30分以内に冷却開始し、90分以内に芯温3℃に冷却)、喫食時間に合わせて再加熱し提供する調理システムです。
 冷凍保存のような食品の劣化がなく「味」と栄養分を損なわず製造日を含めて5日間の保存が可能です。多種多様な病院給食などにおいて、衛生管理・品質管理をより安全な形で適時適温給食が可能となります。

 また、高岡工場は、HACCP(ハサップ)システムを採用し、各工程や配送車の温度・湿度・時間などをコンピュータで一括管理しています。原材料の受入から最終製品までの各工程ごとに、微生物による汚染、金属の混入などの危害を予測した上で、危害の防止につながる特に重要な工程を継続的に監視・記録しています。このシステムによって、従来の管理手法に比べ、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防止できます。

HACCP(ハサップ)とは

 HACCPとは、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。Hazard Analysis Critical Control Point の頭文字からとったもので、「危害分析重要管理点」と訳されています。

高岡工場セクションのご案内

①検収室

 ・納入された材料の品質チェックをして、野菜・肉類・魚類を各専用ケースに振り分けます。その後、それぞれの専用冷蔵庫に保管します。

②下処理室

〈肉・魚下処理室〉
  ・肉と魚の漬け込みをします。
  ・漬け込みした肉・魚をホテルパンに並べ、加熱調理前までの作業を行います。
〈調味・計量室〉
  ・調理をする際の調味料の計量をします。和え物の調味料は真空パックします。
  ・肉・魚の漬け込み調味料は、パススルーの窓で受け渡しします。
〈野菜下処理室〉
  ・野菜の洗浄を三槽シンクで洗浄します。
  ・野菜は電解水で消毒・洗浄します。
  ・電解水は次亜塩素酸ナトリウムに比べ、短時間で消毒・殺菌できます。
   また、残留塩素が残らず、大事な栄養成分の流失も最小限に抑えられます。
  ・洗浄野菜冷蔵庫から野菜を取り出し、スライサーで野菜をカットします。
  ・カットした野菜は専用冷蔵庫に入れ、翌日に加熱調理します。

③調理室

 ・下処理室からの材料はパススルーでの受け渡しとし、床の色は下処理室や洗浄室などは緑色、調理室の準清潔区域は黄色に分けてあります。また、和え物は専用の部屋にて調理・冷却します。
 ・調理室には、スチームコンベクションやブラストチラー、真空包装器、冷水チラーなど、最新の機器が取り揃えてあり、多くの食数に対応できるようになっています。
 ・各部屋に器具保管乾燥庫があり、衛生面に関して最大の配慮をしています。

④洗浄室

 ・前洗浄室と後洗浄室の2つに分かれています。
 ・どちらも床の色は緑色で汚染区域ですが、前洗浄は汚れた物を洗浄する場所、後洗浄は洗浄された物を乾燥させる場所として区分けしてあるため、前後の洗浄室の行き来はできないようになっています。

⑤特食調理室

 ・この部屋では、主にアレルギー対応食などを調理します。
 ・6段仕様のスチームコンベクションとブラストチラーで、加熱調理から急速冷却までをこの部屋ですべて行います。

⑥冷却室

 ・加熱調理した調理品をブラストチラーで冷却する部屋です。
 ・クックチルにおいて、冷却は加熱調理と同様に重要管理点となるため、調理品の芯温が90分以内3℃以下になるよう急速冷却します。

⑦チルドバンク・ピッキング室

 ・ブラストチラーで冷却された調理品は、チルドバンクで常に3℃以下で冷蔵保管します。
 ・冷却室やチルドバンクは清潔区域になるため、調理・冷却後はできるだけ人の手を介さないようにします。
 ・チルド保管された食品は、配送先別に分けて配送専用カートに入れます。最終確認を入念に行い配送に備えます。